離婚問題で大きなテーマになるのは子供の親権問題で、別れるどちらが引き取り養育するかが問題になります。子供にとっては両親が仲良くするのが理想的ですが、離婚となるとどちらかを選ぶ必要が出てきます。一般的に子供は15歳以上になると判断能力があると認められ、一緒に暮らす親が選べるようになります。
15歳未満だと親の話し合いで離婚問題の解決が進められ、親権を得た方に引き取られます。海外だと離婚しても2人で育てられる国もありますが、日本では認められていないので、明確に引き取る方を決める必要があります。
誰が責任を持つか曖昧なまま離婚することはできないので、親権の話し合いがいつまでも経ってもまとまらないと、離婚問題は解決せずに長引くことになり得ます。そもそも離婚届に親の名前を書く項目が存在しますから、財産分与や慰謝料請求と共に、離婚問題を解決してから手続きを進めることが不可欠です。
虐待のような養育における不安要素がない場合は、基本的に母親の方が親権獲得において有利とされます。これは日本独自の傾向で、過去の傾向からも明らかです。母親が子供を引き取れないとしたら、虐待や育児放棄、精神疾患などを理由に養育が難しいと判断されるケースに限られます。
子供が親を選べる年齢で、父親に強く懐いて一緒に暮らすことを望んでいたり、婚姻中に母親が父親に任せきりだった場合もあてはまります。離婚の時点で既に父親のもので暮らしている場合も同様に、母親ではなく父親に養育が認められる可能性があります。
ちなみに経済力の大小はあまり重視されず、母親の浮気や不倫も不利になりにくい傾向となっています。離婚問題で有利に話し合いを進めたり、親権を獲得して引き取りたいのであれば、離婚を決める前に実績を残しておくことが重要です。
例えば監護の割合は高く評価されるポイントで、着替えに食事や幼稚園の送り迎えなど、毎日のように取り組んでいれば親に相応しいと認められる可能性が高まります。それから監護を長期的に継続することも大事で、数ヶ月ではなく数年単位で実績を残すことが評価に繋がります。
子供が15歳以上だと、意見を聞いた上で親権の判断が行われますから、良好な親子関係が認められるように普段から接することも大切だといえます。兄弟姉妹がいる場合は、一緒に引き取ることを重視して親に相応しい方が判断されるので、1人にだけ手間を掛けてお世話をするのでは駄目です。
従来、日本では母親優先で評価されてきましたが、共働きが当たり前になってきた近年は、心の結びつきで親子関係が評価されるようになっています。その為、男親だからと諦める必要はないですし、養育に貢献してきた自信があるなら堂々と話し合って権利を主張することができます。
絶対に相手に渡したくないからと連れ去るのはNGですし、明らかな違法行為で不利な立場になってしまいますから、連れ去って育てようとするのはやめましょう。正攻法はやはり離婚問題に強い弁護士を味方につけて、交渉に有利な材料を揃えてから交渉に臨むことです。