離婚がこどもに及ぼす心理的影響

子供

離婚は当人同士にとっても大きな影響を与えますが、当然ながら子どもも影響を受けることになります。離婚によって子どもに与える影響があるとすれば、それは主に精神面に現れるといえます。具体的には親のいずれかと離れて暮らすことになり、交流の機会が激減することが挙げられます。

離婚における離れて暮らす親との面会は、通常1ヶ月に1回くらいの頻度で行われます。これを言い換えれば、子どもは月に一度しか離れている親と会えないわけです。どちらに懐いているかという関係性にもよりますが、少なくとも会える機会が限られることで寂しさを覚えたり、不安に感じることは十分に想定されます。

片親になることで親権を持つ一緒に暮らす親もまた、子どもと過ごす時間が減ることになります。これは親が働きに出たり、在宅でも仕事をしていて構ってもらえないといった、我慢を強いられる状況を意味します。ある程度の年齢になれば、親に言われなくても我慢が必要な状況を理解しますし、我慢に我慢が続くと本当に言いたいことが言えなくなってしまいます。

親との関係性に影響がありますし、心理的な距離感が生まれたり、我慢し過ぎる子になる懸念も生じるでしょう。しかし、一方の親がもう一方に暴力を振るっていたり、子どもにも手を挙げるようなケースであれば、離婚して別れた方がデメリットよりもメリットの方が上回ります。

こういったケースにおいては、離婚による悪影響よりも別れることによって心理的に解放される、好影響の方に期待できます。別れ方にもよりますが、引っ越しが必要になると住む家が変わったり、生活環境に大きな変化が起こります。長年暮らしていた家であれば住み慣れた環境を離れることになりますし、友達とも離れ離れになってしまいます。

このような環境の急激な変化は精神的に負担が大きく、ストレスによって情緒が不安定になったり、肉体的にも不調が生じる可能性があります。特に、引っ越しの経験がない子は不安になりがちですから、親はしっかりとケアしてあげることが大事です。男親と一緒なら基本的に名前は変わりませんが、母親と一緒に家を出るとなれば、新しい名前で生活を始めることになります。

名字の変更は一生経験しない人が少なくないので、子どもの頃に名前が変わるという経験は、思いの外衝撃的な体験です。姓名の名は変わらないものの、姓が変更となるとそれは自分の名前が変わったも同然です。その為、最初は慣れるまで違和感がありますし、旧姓を名乗ってしまったり呼ばれて返事をすることもあるでしょうが、しばらくは間違っても大目に見てあげる必要があるでしょう。

離婚は親の都合で行われるものですが、あらゆるものを分離してそれぞれの生活を始める、とても大きな決断と転換点になります。必然的に周りに与える影響も大きなものとなりますし、これは本人にも影響しますが、経済的な変化も無視できないです。

収入が減って生活に余裕がなくなり、以前と同じようなレベルの生活ができず我慢が強いられる、そういう経済状況の変化による影響もまた計り知れないです。