コロナによる環境の変化と夫婦関係

夫婦関係

新型コロナウイルス感染症は、経済だけでなく夫婦間にも深刻な影響を及ぼしています。仕事環境が会社に通勤するスタイルから在宅勤務になると夫婦間での争いが多くなり、離婚まで進んだケースもあります。

2020年のデータを見てみると、大型連休明けに離婚調停の申し立てが増えています。環境の変化が引き起こすコロナ離婚には、様々な特徴があります。リモートワークが広がり自粛する人が増えると、家族間のストレスも多くなります。

コロナのような共通の敵が出てくると夫婦や家族との絆が強くなる人もいますが、自粛の状態が1年以上も続くと相手の嫌な面が見え始め夫婦の関係を見直す人もいます。若い世代だけでなく定年退職後の離婚も増えていますが、原因は家庭により異なります。

新型コロナウイルスの蔓延により緊急事態宣言が発動され、夫婦や家族が一緒に自宅にいる時間が長くなっています。外に出られないストレスに加えて、夫婦や家族間のストレスも生じます。経済的な問題も加わって価値観の違いが明確になると、離婚に発展しやすいです。

同じ空間を避けて、お互い自由に過ごすとストレスは少なくなります。夫と妻が自分達の趣味に費やせる時間ができると、争いの種は減少します。簡単なエクササイズやヨガを習慣にすると、心身の健康に役立ちます。

寝室を別室にするのも、コロナ離婚を防ぐ有効な方法のひとつです。狭くても逃げ込める空間があれば、夫婦や家族の良好な関係を維持しやすくなります。民間の相談窓口には、20代から30代の相談が増えています。

特に多いのが専業主婦で、以前は不満があっても我慢していた主婦が夫や子供との生活でストレスを抱えている状態です。以前は会社に通勤して日中はいなかった夫がテレワークで家にいるようになり、学校が休みだと子供も家にいます。

自分も外出できずストレスを発散する場所がないため、最後に堪忍袋の緒が切れてしまいます。
家事分担の格差もストレスの原因で、家事が増えるのに夫が何もしないと争いの原因が生まれます。
若年層の場合は未来の時間が長いので、別れを決断すると早いです。

熟年夫婦だと、これまでの生活や別れた後の生活を考えて躊躇しやすい傾向があります。別れを回避する方法のひとつが、前向きな家庭内別居です。テレワークが常態化して夫婦が家を中心に過ごすようになると、これまでの夫婦関係を見直す必要に迫られます。

住宅事情が許せば、それぞれのスペースを持ちポジティブな家庭内別居が可能です。愛し合っている夫婦でも価値観や性格は異なるので、お互いが別人格だと自覚して許し合える関係を築くと適度な距離ができます。

距離を置いて相手を見られるようになると、お互いを客観視できるので深い愛情を育めるチャンスです。結婚は恋愛とは異なり、愛情だけでなく忍耐も必要になります。夫婦の絆は生活の積み重ねで強くなりますが、コロナの影響で夫婦間に亀裂が入り修復不可能になった場合は専門家に相談できます。