熟年離婚を断行する条件は?

夫婦関係

時代が進むにつれて、熟年離婚を選択する夫婦が増えてきました。だからといって、自分たちも安易にそうするのは良くありません。自分の将来をしっかり見据えたうえで、それが本当に正しいかどうか見極める必要があります。そのための心構えとして重要なのは、劇的な変化に適当していく気概が必要ということです。一般的に、人間は年をとるにつれて保守的になっていきます。

自分が積み重ねてきたものに固執し、新しい要素を取り入れることが苦手になっていきます。離婚すると、自分を取り巻く環境がかつてないほどに変化するでしょう。結婚した当時よりも戸惑うことが多発する可能性も十分にあります。熟年と呼ばれる年齢に達した自分が、それに適応していけるかどうか十分に考えましょう。自信を持って大丈夫といえることが熟年離婚を断行する条件となります。

また、再婚を視野に入れていない場合、老後の生活が味気ないものになりやすいです。子どもや孫と会えるので、少しも寂しくないだろうと楽観視している人もいるでしょう。たしかに、親族に合うことは心を和ませてくれる重要な行為です。それが楽しみというのは当然の意見といえます。しかし、残念ながら自分が思っているほど、親族は自分に重点を置いていません。

自分が若かったときのことを思い出してください。祖父や祖母のことを毎日考えていたという人は少ないでしょう。たいていは長期休暇などに会うだけの存在であり、それ以外の時期に存在感が大きかったとはいえません。自分が年老いた場合も同様なので、子どもや孫に期待しすぎるのはやめましょう。子どもや孫には彼ら自身の生活があることを理解することが大事です。

友人関係などにも左右されますが、配偶者がいたときよりも格段に孤独感が強くなります。最初は一人であることが新鮮かもしれませんが、寂しさがこみ上げてくることを覚悟しておきましょう。
感情だけでなく現実的な面に着目することも欠かせません。具体的には、老後の生活に困らないように、資金繰りを自分でしっかり行わなければなりません。配偶者に資金の管理を任せていた場合、何をどうすれば良いのか混乱することもあるでしょう。

これからの時代は、銀行に預けるだけでなく資産を積極的に運用していくことが望ましいです。そのための知識がなければ、年金だけで細々と暮らしていくことになりかねません。離婚時に多額の財産分与があるなら、ある程度は余裕を持って生活していけるでしょう。しかし、そうでないなら感情に揺り動かされて離婚するのは考えものです。

少なくとも、別れる前に資産運用について勉強しておく必要があります。先がそれほど長くないという理由で、そのあたりを軽んじている人が少なくありません。長寿命化が進んでいるため、自分も資金不足に悩まされるリスクは十分にあるのです。老後に必要な金額を試算して、それを確保すする術がないなら、結婚生活を続けたほうが良い場合もあるでしょう。