返金に応じなかった実例

返金できない例 成功報酬制

依頼者:妻
対象者:夫
接触者:愛人

当初の予定では「愛人と合流したら、愛人の追尾に切り替える」という条件でした。
対象者である夫とその愛人は予定通り合流し、愛人の自宅マンションへと行くものの、マンション内に入ることなくマンションのエントランス付近にて立ち話を続けます。そしてその後、両者は別れ、愛人はマンション内へ、夫は徒歩にて最寄り駅とは逆方面へと歩を進めます。

この時の状況を依頼者(対象者の妻)に報告したところ、「夫と愛人の両者をそれぞれ尾行(監視)して欲しい」と言ってきました。しかし調査は対象者1名に対し2名で行うことを原則としているため、「失敗しても返金には応じない」という条件で、依頼者の要望に応じ、夫に調査員A、愛人に調査員Bという形で調査を続行しました。

夫は駅とは逆方向の閑静な住宅地に歩いていきました。調査員Aは目立たないようにバイクを乗り捨てて徒歩で尾行をしました。すると、それまで無警戒だった対象者が突如、周囲に対して警戒をし始めました。調査員Aは「尾行がばれたのか?」「警戒していたためにマンションには入らなかったのか?」「駅とは逆方面に行くのは罠なんじゃないか?」などと色々と思考を巡らせ、かなりの距離を取り尾行を続けます。

ところが夫は付近にあった自転車を窃盗し、最寄り駅方面へと走行し始めました。
これまでの警戒行動は、自転車を窃盗するための警戒だったことが判明し安心しましたが、調査員Aは尾行する手段がありません。調査員Aは急いでバイクまで走って戻り、最寄り駅へとバイクで急行しました。
そして改札口にて夫が来ることを期待したのですが、結局、夫は来ませんでした。調査員Aが駅に到着するよりも先に、電車に乗って帰路に就いてしまったようです。

この事を依頼者に報告すると「尾行に失敗したのだから割引きして欲しい」と言われましたが、下記4つの理由により割引には応じませんでした。

  • 自転車の窃盗という異常な行動
  • 尾行を2名体制で行っていれば、1名がオートバイを用意することにより異常な行動にも十分対処できた
  • 「見失っても良いので2手に分かれてほしい」と指示されていた
  • 調査員Bが愛人宅の部屋番号及び氏名を突き止めている