探偵業には届出が必要です

探偵

探偵は小説やドラマでは派手に事件を解決しますが、現実では浮気調査や家出人の捜索など地道な調査を行うことが仕事です。でも請け負った仕事をこなして依頼人に満足してもらえたら、大いにやりがいを感じられます。そんな探偵になりたいというとき、どうすればいいのかというと国家資格などがなくてもなれる仕事なので、やろうと思えば誰でも慣れます。

具体的な方法について言うならば、すでにある事務所や興信所に入るか、自分で起業をするのかの2通りです。どこかの事務所や興信所に入ることを考えるならば、事前にスキルを磨いた方が採用されやすくなります。探偵の専門学校がありますから、そこに通えば写真撮影や尾行のスキルを学べます。

それに対して、自分で起業をするときには別の準備が必要です。なぜかというと平成19年に施行された「探偵業の業務の適正化に関する法律案」があるからです。この法律では、営業所を設置するときには、その所在地を管轄する警察署の生活安全課を経由して公安委員会に届出をすることが義務付けられてます。届出をしたら欠格事由がないかの確認が行われ、問題がなければ届出証明書が交付されます。届出証明書を交付後は、営業所の見えやすい場所に提示することが義務付けられます。ここまでやって、ようやく営業ができます。

なお交付される届出証明書というのはその名の通り、探偵業をするにあたって必要となる届出をした事実の証明書であって、営業許可とは異なります。風俗店のような営業許可については、手続きをする必要はありません。

届出をするにあたっては、履歴書、本籍記載の住民票の写し、欠格事由に該当しないという誓約書、市町村長から発行される身分証明書、法人の事務所を立ち上げるときには定款や登記事項証明書等が必要になります。そして、証明書を交付には手数料も必要で、各都道府県の収入証紙3600円分を用意します。

ここで問題となる欠格事由というのは、過去に破産の手続きをして復権をしていない人、犯罪を犯して実刑判決を受けて時間が経っていない人、反社会的組織に属している人などが全部で7つの項目が規定されています。もし、届出をしたあとに欠格事由があると確認できたならば、営業廃止命令が出されます。

もし、届出をせずに営業を始めたときには、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。他にも届出に関する罰則では欠格事由があるのに嘘をついて届出した場合には30万円以下の罰金、届出をした人と営業をしている人が異なる名義貸しも6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金です。

以上を踏まえて、探偵になるにはどうすればいいのかというと、堅実にやりたいならばすでにある事務所や興信所に就職をする方が良いです。知識も経験もない人間を信用して依頼する人は少ないですから、いきなり独り立ちをしても仕事がないままで何ヶ月も過ぎて資金が尽き廃業することになります。年齢制限はなく資格は許可も必要ない仕事だからこそ、依頼が舞い込むように信用を高めるためにも経験と実績を積む時間を疎かにしてはいけません。”