離婚調停とはどんなものか

裁判

離婚調停とは、正式には夫婦関係調整調停と呼ばれる手続きで、家庭裁判所において離婚について話し合うことを指します。調停離婚は家庭裁判所への手続きが必要になるため、協議離婚と比べると面倒に感じる方も多いかと思いますが、調停離婚にもメリットはあります。

まず挙げられるメリットは、相手を話し合いの場につかせることができることです。夫婦の間で離婚問題について話し合いたいものの、相手が話し合いに応じてくれないケースは決して珍しくありませんが、離婚調停を申し立てると家庭裁判所から相手側に呼び出し通知が送付されます。この通知を無視した場合、5万円以下の罰金が科されることもあるため、ほぼ確実に相手を話し合いの場につかせることが可能です。

また、離婚の話し合いがスムーズに進む可能性が高いのもメリットのひとつです。離婚問題の話し合いは、夫婦のみで行おうと思ってもついつい感情的になってしまって上手く進まないケースも少なくありませんが、離婚調停では専門知識を持った裁判官や調停委員が仲介してくれるので話し合いがスムーズに進む可能性が高いです。

また、離婚調停は原則として夫婦別席で行われるので、より冷静になって話し合いを進めることができますし、精神的な負担も軽減されます。加えて、離婚調停での話し合いでは、金銭面や子供のことなど幅広い問題が扱われるので、夫婦間の話し合いのみで成立する協議離婚と比べて離婚後にトラブルが起こる可能性が少ないというメリットもあります。

以上が離婚調停を申し立てる主なメリットとなりますが、調停離婚は手間と時間がかかるというデメリットがあるので注意が必要です。調停離婚の場合、夫婦間の話し合いがまとまれば離婚届を役所に提出するだけで離婚が成立しますが、調停離婚の場合は家庭裁判所に申し立てた上で、調停期日に家庭裁判所へと足を運び協議を行います。

この協議で調停が成立すれば離婚が成立しますが、1回の協議で調停が成立するケースはほとんどなく、通常は2~3回程度裁判所に足を運ばなければなりません。加えて、申し立てから最初の調停期日まで1か月程度かかります。

1回の協議でかかる時間は1~2時間程度ですが、申し立てから協議開始までに時間がかかることに加えて、数回の協議を行わなければ離婚が成立しないので、調停離婚が成立するまでには多くの手間と時間がかかるのが一般的です。また、協議は裁判所が開廷している平日の日中に行われるため、仕事をしている方の場合はスケジュール調整が難しいというデメリットもあります。

さらに、離婚調停は必ずしも成功するわけではないのもデメリットのひとつです。離婚調停では、裁判官や調停委員が話し合いに仲介してくれるものの、あくまでも双方の合意が無ければ調停は成立しません。

そのため、話し合いが上手くまとまらなかった場合は離婚不成立となってしまい、それまでにかかった時間や費用が無駄になってしまう恐れがあります。なお、離婚調停が不成立となった場合は裁判離婚の利用が可能となるため、離婚調停に要した手間や時間が全て無駄になることはありません。