浮気が原因で離婚した場合の慰謝料の相場は?

法律知識

一般的に浮気が原因となり離婚に至った場合の慰謝料の相場としては、50から300万円ほどだと考えられています。しかしこの金額は夫婦が抱えている問題や、浮気の程度により大きく変動することになるでしょう。このようなことから慰謝料が50万円以下になるケースもあれば、反対に300万円を大きく超えるケースも考えられます。

配偶者が浮気をしていたからといって、必ずしも慰謝料を請求できるというわけではありません。請求するためには条件がそろっている必要があります。その一つ目が浮気相手と肉体関係があるあったかどうかということです。肉体関係を証明できないのであれば、請求が認められない可能性も考えられます。

反対に請求が認められたとしても、高額にはならないケースがほとんどです。二つ目には元から夫婦関係が破たんしていたケースです。これには長期の別居や深刻な家庭内別居などがあげられ、浮気により精神的な苦痛を受けたと判断されることなく、請求が認められなくなってしまう可能性もあります。しかし夫婦関係が破たんしているかどうかということは、様々な観点から客観的に判断されることになるでしょう。ただ夫婦げんかが多いというだけでは、夫婦関係が破たんしているとは言いきることはできません。

三つ目の条件は証拠が残されていることです。例えばクレジットカードにラブホテルの使用履歴が残っていたり、探偵に調査報告を依頼するなどして、裁判で有効となる証拠を集めることが重要となります。自分自身の中では、絶対に浮気をしているという事実があったとしても、それが証拠として認められなければ請求することは難しくなってしまいます。請求するためには、完全なる証拠が必要となるということです。どのようなことが証拠になるのかということも、事前に確認しておくことが求められます。

四つ目の条件は、最終的な浮気行為の時点からの時効が成立してないことです。浮気にも時効が設定されていて、これは発覚した時点から3年以内と設定されています。たとえ過去の浮気であったとしても、20年以上経過した離婚後に発覚した場合でも請求する権利は得られるということです。

慰謝料の請求を成功させるためにも、まずは裁判でも有効な証拠を残しておくことが大切です。肉体関係があることを確実に証明できる証拠が必要となりますが、具体的にはラブホテルに出入りしている写真や動画、性行為の途中の写真や動画、浮気を認める音声などの記録、浮気相手との不貞行為をうかがわせるメールのやり取りなどがあげられます。

慰謝料の請求はまず最初に話し合いを行うことになりますが、その際に証拠がなくても相手が支払いに合意すれば獲得できると考えられています。しかし裁判では事実証明が必要となるため、証拠がなければ請求が認められなくなってしまうでしょう。また浮気相手が既婚者の場合には、被害者が自分自身と浮気相手の配偶者の二人いることから、浮気相手への慰謝料請求は難しくなります。