違法行為となる調査方法の一例

法律知識

探偵には聞き込みや張り込み、尾行や潜入、戸籍や資産、情報など様々な調査を経て依頼者からの要望に応えるよう動くのが特徴です。しかし、この調査の中には一線を越えてはならないルールがあります。

このルールを破ると違法といった形になるわけですから、探偵として仕事をする上ではその内容について十分な理解が欠かせません。刑事ドラマの中などで盗聴するシーンを見ることがありますが、電話を利用した盗聴・秘聴・通信傍受は電気通信事業法や有線電気通信法などの法律に関与するもの、電話線からの盗聴では器物損壊罪、盗聴器そのものを設置することは住居侵入罪や器物破損罪などの法律に触れる行為とされます。

盗聴そのものは犯罪ではあるけれども、日本の法律には盗聴罪と呼ばれるものはありませんので、盗聴したからといって盗聴罪に問われることはありません。ただし、電話線や電話器・電波などからの盗聴および設備の設置は様々な罪に該当するものであり違法行為に値するといいます。

探偵の仕事の中で尾行調査が行われるケースは多いわけですが、尾行調査そのものは違法ではないけれども探偵が尾行している最中に対象者に知られているのにも関わらず必要以上に尾行を続けた場合には追随の罪になります。追随の罪は、対象者に対して嫌悪感を抱かせてしまうようなまとわりつき要素が強い尾行を意味するものです。

張り込み調査も探偵が行うケースが多い行動になるわけですが、監視を目的にして他人が看守している住居もしくは建造物、敷地や庭・建物と隣接していて障害壁などで囲まれている場所に侵入すると住居侵入罪の罪に問われます。仮に、マンションなどのような住居に住民ではない人が勝手に入ると違法行為になるわけです。

聞き込み調査も違法に値するものが多くあるようですが、警察に成りすまして聞き込みをすると照合詐欺・標章等窃用の罪に問われる、対象者に関することで聞き込みを行い対象者の信用を損なわせるような噂が広まった場合には罪になるといいます。聞き込みに関しては、聞き込みが影響を与えてしまい対象者の業務に影響が出てしまうケースも罪に値するケースが多いようです。

張り込みの最中に、住民もしくは管理人などから何をしているのか、出て行きなさいなどのようにいわれた際にそのまま居座り続けるケース(不退去罪)、他人の空き家に勝手に入った場合(潜伏の罪)、宅邸内への覗き見は窃視の罪に値するものです。

このように、それぞれの作業の中でどのようなことをすると違法になるのか、細かなルールが設けてあるためこれから探偵業で生計を立てようなどと考えている場合には、一線を越えるとどのような犯罪になるのかだけでなく何をしては行けないのかしっかり学んでおくことが大切です。

ちなみに、対象者の債務現況を調べるケースもあるかと思われますが、本人に成りすまして電話などを使いクレジット会社に対して債務現況の照会請求を行うと偽計業務妨害罪になるといいます。