4. 回復の見込みのない強度の精神病

精神病 離婚

前述したとおり、夫婦は同居し互いに協力して扶助しなければならない義務を負っています。配偶者が病に冒されていれば、なおさら協力して助け合っていく必要があります。しかし配偶者が強度の精神病に掛かり、なおかつ回復の見込みがない場合、民法では裁判離婚の原因としてこれを認めています。

精神病による離婚が認められるためには、最終的に医師の診断を参考にし、裁判官が判断することになります。症状や程度の問題は直ぐにでも判断が可能な要素ですが、回復の見込みに関してはその病状の経過をみて判断する必要がありますので、ある程度の期間が必要です。
治療が長期に渡ること、離婚を請求する配偶者が誠実に看病を尽くしてきたこと、離婚後は誰が看病し、治療費は誰が出すのか、など今までの経緯と、今後の生活に具体的な方策がなければ、離婚が認められることはありません。

離婚が認められる精神病

  • そううつ病
  • 偏執病
  • 早期性痴呆
  • 麻痺性痴呆
  • 初老期精神病

アルコール中毒、薬物中毒、ノイローゼ、ヒステリー、神経衰弱、アルツハイマーなどは、精神病に属さないと解釈されています。